先週に引き続き、『ボックスステップ』の解説です。
ステップポジションは練習してみましたか？
今日は「軌道」→つまり、足の運び方について詳しく説明します。

「軌道」は運動でとても大事な要素ですが、
なかなか細かい所まで確認を出来ていないことが多いようです。
チアでは、「シャープ」さが大事にされています。これも軌道を表す言葉の一つですね。
ステップでもポジションの確認をしたら、必ず軌道のチェックをしなければ上達しません。

『ボックスステップ』は4カウントのループなので、4つの軌道があります。

【ルール】
今回は「パッセ」を通過して、
ステップポジションへ足を運ぶと言う方法で解説していきます。(右回転)
アームモーションはダガーで固定です。
体幹部はキープしましょう。

上の写真を見て下さい。
■カウント8＝準備姿勢(左写真)
■カウント1＝ステップポジション1(右写真)

そしてそれを繋ぐ軌道が、真ん中の写真です。

《足の軌道》
•右足を最短距離でパッセに上げる。
↓
•右足をステップポジション1へ下ろす。

上記2つは、膝下を素早く動かすことがコツです。

《重心移動》
足の軌道と共に重心移動も行います。黄色い線で重心移動を表しています。
•右足の母指球で3番方向へ蹴る(黄色①)
↓
•左足一本でバランスを取る。
↓
•左足母指球で5番方向へ蹴る〜重心は1番方向へ移動する。(黄色②)

足・体幹部の両方の軌道を別々で説明しましたが、順序は以下の通りです。
①右足の母指球で3番方向へ蹴る(黄色①)
②右足を最短距離でパッセに上げる。
③左足一本でバランスを取る。
④左足母指球で5番方向へ蹴る〜重心は1番方向へ移動する。(黄色②)
⑤右足をステップポジション1へ下ろす。

「アンド」と数える間に、これだけのことを行っている訳です。
ポジションの確認よりもやることが多いので、
練習にはたくさんの時間を使い、体の使い方を「感じ」られるようになるまで練習しましょう。

軌道はなめらかに・流れる様に行う事も大切です。
カクカクしたイメージでは、ステップに「慣れていない」印象を与え、
マスターしている評価は得られません。

■カウント1＝ステップポジション1(左写真)
■カウント2＝ステップポジション2(右写真)
を繋ぐ、2つ目の軌道です。

上の真ん中の写真を見て下さい。

《足の軌道》
•左足を最短距離でパッセに上げる。
↓
•左足をステップポジション2へ下ろす。

先ほどと同じように、膝下を素早く動かすことがコツです。

《重心移動》
•左足の母指球で5番方向へ蹴る〜重心は1番方向へ移動する。(黄色①)
↓
•右足一本でバランスを取る〜この時体幹部を少し右へ傾けるイメージを持つ。(赤い線)
↓
•右足母指球から小指に掛けて、7番方向へ蹴る〜重心は3番方向へ移動する。(黄色②)

足・体幹部を混ぜた順序は以下の通りです。
①左足の母指球で5番方向へ蹴る〜重心は1番方向へ移動する。(黄色①)
②左足を最短距離でパッセに上げる。
③右足一本でバランスを取る〜この時体幹部を少し右へ傾けるイメージを持つ。(赤い線)
④右足母指球から小指に掛けて、7番方向へ蹴る〜重心は3番方向へ移動する。(黄色②)
⑤左足をステップポジション2へ下ろす。

③の解説で『体幹部を少し右へ傾けるイメージを持つ』
という新しい技術が出てきたので補足します。

先ほども伝えましたが、「アンド」と数える間に、
たくさんの運動を行っているので「間に合わない」ことが起こり得ます。
特に、ステップポジション2は『ボックスステップ』で一番難しいポジションです。
体幹部を斜めに設定する事で、より素早いステップや重心を移動させることが出来ます。
このように体幹を地面と垂直ではなく、斜めや曲線を使うことを「オフバランス」と言います。
とても良く使う技術です。

もちろん、基本は体幹を地面と垂直に保つ事です。これを「オンバランス」と言います。
僕のレッスンでは、略して「オンに設定して！」「ここは右へオフ！」など、
略して使う事が多いです。
とても頻繁に使う技術ですし、「オン・オフ」バランスを切り替えることは、
ダンスを上手に魅せる秘訣ですので、是非覚えておいて下さい。

■カウント2＝ステップポジション2(左写真)
■カウント3＝ステップポジション3(右写真)
を繋ぐ、3つ目の軌道です。

上の真ん中の写真を見て下さい。
軌道の中に、「足」「体幹部」と2つの要素がありましたね。
ここまでを理解していれば、
以下の順番のどれが「足」でどれが「体幹部」なのかを当てはめられるはずです。
考えてみながら確認してみましょう。

①右足の外側で7番方向へ蹴る(足首を伸ばす)〜重心は3番方向へ移動する。(黄色①)
②右足を最短距離でパッセに上げる。
③左足一本でバランスを取る。
④左足母指球を1番方向へ蹴る〜重心は5番方向へ移動する。(黄色②)
⑤右足をステップポジション3へ下ろす。

要領は掴めましたか？

最後になりました。4つめの軌道です。

■カウント3＝ステップポジション3(左写真)
■カウント4＝ステップポジション4(右写真)

では、チアっ子のみんながより優れた知識を付ける為にも、最後はクイズ形式でやってみましょう。
●の所を答えられる様に頑張ってみて下さい。
「考える力」も養うと、より上達への近道になりますよ。

①●足の母指球で1番方向へ蹴る〜重心は5番方向へ移動する。(黄色①)
②左足を最短距離で●に上げる。
③右足一本でバランスを取る〜この時体幹部を少し左へ●バランスする。(赤い線)
④右足母指球で3番方向へ蹴る〜重心は●番方向へ移動する。(黄色②)
⑤●足をステップポジション4へ下ろす。

少し難しかったでしょうか？
答えは来週発表します。

そして、次の講座は『ボックスステップ』のバリエーションを紹介します。
より難易度も高くなり、幅が広がる講座になるのでお楽しみに！