CHEER COLUMN-応援コラム-
季節はすっかり秋になり外は寒くなってきましたね。
体調を崩す人が多く見られます。
この時期の「スポーツの秋」「勉強の秋」
というだけあって、とても集中し易い季節です。
折角の日々を、体調不良で無駄にする事がないように、
体調管理を気に掛けて生活しましょう。
さて、私達は、私生活で特別に意識をせずに
「歩く事」や「手を動かす事」が出来ますが、
これは「関節」「骨」「筋肉」が、
絶妙なバランスで動作してくれているからです。
数回に渡って、チアやアクロバットには必要不可欠な
「体の仕組み」について触れてみましょう。
今週は「肩甲骨」をご紹介していきます!
「肩甲骨」ってどこ?
そう思った人も多くいるかもしれません。
写真の赤い部分、三角形状の大きな骨が肩甲骨です。
「肩甲骨」は、「肩」と「腕」を動かすのに重要な役割を担っています。
普段何気なく手を上げたり、腕を回したりしますが、
それはこの肩甲骨が頑張ってくれていたんですね。
肩甲骨の可動範囲は広く、様々な方向に腕を動かす事ができます。
少し難しい専門用語ですが
肩甲骨を上げる事を「挙上」、下げる事を「下制」と言います。
レッスンでは、「肩甲骨を上げて!(下げて!)」と伝えますが、
今回は説明のため専門用語で解説させて下さい。
《挙上》
可動範囲が大きく、主に腕を上げる際に行われています。
「力む」時なども挙上しますので、
アームモーション+挙上が同時に行われると、
不格好なイメージになってしまう事が多いです。
アクロバットなどでは、
地面を押す際に挙上するテクニックなども見られます。
使い方を覚えてしまえば、とても便利な動作です。
《下制》
挙上に比べ可動範囲が小さいです。
日常生活ではあまり使う機会はないと思います。
チアリーダーに欠かせないアームモーションは、
この下制を同時に行うと形が格好よく見えます。
少し難しいテクニックですが、
アームモーションが苦手な人は下制を意識してみてはどうでしょう。
アクロバット(体操)では、
「脚前挙」という技があり、下制は不可欠な動作となります。
《挙上と下制のまとめ》
チアリーダーのみなさんは、アームモーションで肩が上がってしまい、
先生から「肩が上がっているから下ろす様に!」と注意された事はありませんか?
その理由は、、、
実は「肩」上がっていたのではなく
「肩甲骨」が上がっていたのが原因だと思います。
「肩が上がっている」という指摘を、
「肩甲骨が上がっている」と置き換えて考えてもらえると、
多くの子が正しいポジションを取れる事を、指導経験の中で感じています。
チアの命である「アームモーション」は、
「肩甲骨の稼働を制する」事で上達する事を、
是非チアリーダーの皆さんには知ってもらいたいと思っています。
背中を丸める事を「外転」、背中を縮める事を「内転」と言います。
僕はレッスンの中で
「肩甲骨を寄せて」や「肩甲骨を広げて」と表現します。
専門用語に慣れるまでは、内外の区別が分かり辛いと思うはずですが、
「肩甲骨を」どうするか?を考えれば、
「外転」「内転」と言う用語は覚え易いと思います。
チアではあまり見られない動作ですが、
「外転」を取り入れた振付けは近年増えているように感じます。
《外転》
アクロバットでは、背中が丸くなるので
「前転」や「後転」など転がる技に使用される動作です。
他にも、HIPHOPの「ダウン」・JAZZやコンテンポラリーでよく用いられる
「お腹を丸め背中を広げる動作」によく見られます。
《内転》
アクロバットでは、「ブリッジ」などの
「反る技」に対して大きな効果を発揮します。
他にも、HIPHOPの「アップ」をはじめ、
様々なジャンルで取り入れられている基本動作です。
《外転と内転のまとめ》
アクロバットのレッスンを初めて受けた時に、
前転や後転が上手く回る事ができない人がいます。
その殆どが、外転が甘いため背中が平らになっているからです。
転がる事ができず背中を強打してしまうケースも見られます。
こんな時は、肩甲骨を意識して広げ、胸を丸めるようにしましょう。
「外転をキープして歩いてみる」という事を試しにやってみると、
転がり方が上手くなるはずです。
「ブリッジは腰で反るな!」と、
どのアクロバットのレッスンでも伝える事ですが、
肩甲骨を支点にしっかり反ることで、安全で強いブリッジになるからです。
内転するという事は、同時に胸を出すと言う姿勢にも繋がるので、
「肩甲骨の開閉」は常に意識してほしい動作です。
今回は、肩甲骨について説明しました。
肩甲骨は日常生活程度の動作では、100%稼働させる機会はありません。
そうすると、関節が固くなり稼働域が狭まってしまいます。
更に、肩甲骨周りの筋肉を強化する事も、
チア・ダンス・アクロバットには欠かせないトレーニングです。
「ブリッジが苦しい」「上手く転がる事が出来ない」
そんな悩みを解決する為に、
来週は、肩甲骨の「可動範囲をより大きく」「より強くできる」
トレーニング方法をご紹介します。